炭水化物、脂質とともに三大栄養素のひとつとされているタンパク質。人間の筋肉や臓器、体内の調整に役立つホルモンの材料となるほか、身体活動のエネルギー源にもなる重要な栄養素です。
すでに日々の食事などからしっかりと摂取するよう心がけている人は多いはず。では食材により摂取できるタンパク質の内容に違いがあることも踏まえて上手に摂り分けできていますか?
栄養バランスの観点から、タンパク質の量だけでなく内容にもぜひ注目を。
動物性と植物性
タンパク質は食材により、肉、卵、魚などに含まれる動物性タンパク質と、穀類、大豆などに含まれるのが植物性タンパク質とに大別されます。
その違いのポイントは、含有アミノ酸の量とバランス。
アミノ酸の量とバランスだけなら動物性タンパク質のほうが優れているのですが、カロリーと脂質が高くなりがちなので注意が必要。
組み合わせて植物性タンパク質の摂取を選ぶのがベターと言えそう。
アミノ酸のバランスとは
そもそもタンパク質は、アミノ酸やペプチド(アミノ酸の結合体)に分解されて体に取り込まれたあとにまたタンパク質へと再形成されます。
人間の体を組成するアミノ酸は20種類。この20種類のうち、体内で合成できないため食事からの摂取が必要な9種類を必須アミノ酸、それ以外を11種類が非必須アミノ酸分類しています。
この必須アミノ酸がバランスよく含まれているかを数値化したものが「アミノ酸スコア」と呼ばれる指標。
100が最適値100に近いほど、アミノ酸バランスのよいタンパク質であると言えるのだそう。このスコアが100である食材が、牛肉(ロース)、鶏卵、牛乳、納豆など。植物性タンパク質の中では豆乳が86、キャベツが53となっています。
タンパク質の選びかた
アミノ酸スコアが低い食品には、不足するアミノ酸を補う策を組み合わせることが重要です。
アミノ酸スコア100の食材を選ぶときには、アミノ酸以外の栄養摂取を目的にほかの食材を組み合わせるチャンス。
トータルでバランスのよい食事を検証する指標のひとつとしてぜひ活用を。